図のような二次元の正方格子点上に配置されたスピンについて考える。
アプレットにおけるそれぞれのセルは一つのスピンに対応する。スピンは上向き(up)または下向き(down)のどちらかの向きを向く。
青色は up-spin、灰色は down-spin を表している。
最近接のスピン間には相互作用がはたらくものとする。
各々のスピンは外磁場 H と相互作用をする。
また、最近接のスピン同士に相互作用がはたらく。
ここで、(i,j)は全てのスピンにわたる最近接相互作用の和である。 これらより、系のエネルギーは次のようにかける。
ゼロ磁場(H=0)のもとで、J > 0 (強磁性体)のとき、温度-磁化のグラフは次のようになる。
T が大きいとき、エントロピーが優勢で M = 0。T が小さいとき、エネルギーが優勢で M = ±1 である。 キュリー点 TCで相転移が起きている。 つまり、二次元イジングモデルでは自発磁化を持つ。 これを確かめるには、アプレットで、温度を少しずつ下げていけば良い。 平衡状態を実現するまでに少し時間がかかることに注意する。
J = 1.0 のとき、TC = 2.269 程度である。
帯磁率 χ と比熱 C は次のように書ける。
帯磁率・比熱はそれぞれ、磁化・エネルギーの揺らぎとして計算できるということだ。 アプレットでは、平均値のまわりにどれだけ分布しているか、というヒストグラムが表示されている。 ゼロ磁場のとき、キュリー点あたりでは大きく揺らいでいることが観察できる。 つまり、そこで帯磁率・比熱は非常に大きな値を取る(発散する)ことが分かる。