CGIレンタル

電磁輻射

電荷が運動しているのを、十分遠くから眺めるとする。
このとき、観測点での電場は

となる。erは観測点から電荷へ向かう向きの単位ベクトルである。
つまり、観測点から電荷へむかう向きの単位ベクトルの加速度に比例する。

電荷が十分狭い範囲で小さな運動をしているとする。電荷が動くと、単位ベクトルも揺れ動く。
しかし、十分遠方にあることから視線の方向への運動はほとんど単位ベクトルの変化には関係しない。
したがって、視線に垂直な方向の動きだけを気にすれば良い。
すなわち電荷の動きを視線に垂直な平面に射影したものが重要である。

電荷がある平面上で調和振動をしているとする。その振動方向に y軸、それと垂直に x軸をとる。
いま、xy 平面上で電場の様子を観測するとする。紙面に水平に電荷が振動している



このとき、観測点で観測される電場は



となる。
すなわち、電場の大きさは観測点が振動する電荷の振動方向とどのような位置関係にあるかによって変わる。
これは先ほども述べたように、十分遠方にある電荷を見る場合にはその視線方向の動きは電場にほとんど関係がないからである。
したがって、視線方向に垂直な面に投影した動きがもっとも大きくなる θ = 0 のとき観測される電場は最大となる。

ところで、電磁波は伝播するのに有限の時間を要する。つまり、電荷の振動の情報は遅れて伝わる。
その遅れは、観測点の距離 r を光の速さ c で割ったものである。(距離 / 速さ = 時間)
だから、上式で (t-r/c) という部分が現れているのである。

さて、この様子をアニメーションにしてみた。
電場そのものをプロットしたものではなく電場の二乗をプロットしている。




x 方向には振動する電磁波が伝わっていくが、y 方向では常に 0であることに注意。
一本のアンテナの発振はこれに似ている。
[HOME]